[入門]Debianパッケージ

[表紙][入門]Debianパッケージ

紙版発売

A5判/400ページ

定価3,168円(本体2,880円+税10%)

ISBN 4-7741-2768-X

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書籍の概要

この本の概要

Debian GNU/Linux環境のシステム管理に欠かせない存在,「パッケージ」についてやさしく解説します。apt-get,aptitude,dpkgなどのツールの活用術,パッケージシステムのしくみ,パッケージングの基礎知識など,パッケージにまつわる幅広いトピックをカバーした1冊です。Debian GNU/Linux 3.1(sarge)対応。

こんな方におすすめ

  • 日々の管理作業を効率的に行いたいDebianユーザの方
  • パッケージ管理ツールを活用したい方
  • パッケージを自分好みにカスタマイズしたい方

著者の一言

Debian環境を構成するのは「パッケージ」です。このためDebian環境の管理作業のいくらかはパッケージを扱うものになります。

本書ではパッケージ操作の基本から始めて,少し高度なテクニックまで説明します。さらに,既存のパッケージをカスタマイズする方法や自分のパッケージを作成する方法にも触れ,より高度なシステム運用の足掛かりになることを目指しました。みなさまのワークデスクの端に置いていただければうれしく思います。

目次

1章 Debianスタイル

  • 1.1 Debianであること
    • 1.1.1 Debianの特徴
    • 1.1.2 Debian社会契約
    • 1.1.3 Debianフリーソフトウェアガイドライン(DFSG)
    • 1.1.4 Debianポリシーマニュアル
    • 1.1.5 Debianの強み
  • 1.2 配布物の分類
    • 1.2.1 配布物とパッケージ
    • 1.2.2 DFSGによる分類(セクション)
    • 1.2.3 安定度による分類(ディストリビューション)
    • 1.2.4 各分類のイメージ
    • 1.2.5 優先度による分類
    • 1.2.6 機能による分類(サブセクション)
  • 1.3 Debianパッケージ
    • 1.3.1 パッケージ
    • 1.3.2 バイナリパッケージ
    • 1.3.3 ソースパッケージ
    • 1.3.4 パッケージのライフサイクル
  • 1.4 Debianポリシーマニュアルから見るDebianの特徴
    • 1.4.1 Debianポリシーマニュアルと,関連ドキュメント
    • 1.4.2 システムファイルの配置方針
    • 1.4.3 起動時に実行されるスクリプト
    • 1.4.4 デフォルトコマンド
    • 1.4.5 Debian設定管理システム(debconf)
    • 1.4.6 システムユーザ,グループ

2章 パッケージの利用

  • 2.1 パッケージの使い方
    • 2.1.1 パッケージのとらえ方(パッケージ名とdebファイル)
    • 2.1.2 パッケージのバージョン
    • 2.1.3 パッケージ操作のためのツール
    • 2.1.4 ツールとパッケージの関係
  • 2.2 パッケージを使う(APT)
    • 2.2.1 APTを使う手順
    • 2.2.2 sources.listファイルの設定
    • 2.2.3 パッケージ情報の更新(apt-get update)
    • 2.2.4 パッケージを見つける(apt-cache)
    • 2.2.5 パッケージのインストールと削除(apt-get)
    • 2.2.6 メンテナスクリプト(インストール時設定など)
    • 2.2.7 システムのアップグレード
  • 2.3 APTの便利な使い方
    • 2.3.1 pin
    • 2.3.2 aptitudeコマンド
    • 2.3.3 APT・aptitudeの設定
    • 2.3.4 APT Tips
    • 2.3.5 ヘルパーツール
  • 2.4 落穂拾い ……APTの助手としてDPKGを使う
    • 2.4.1 インストール済みパッケージの調査
    • 2.4.2 パッケージを再設定する
    • 2.4.3 パッケージ提供のファイルを変更する
  • 2.5 セキュリティ対応
    • 2.5.1 stableのセキュリティ対応(DSA)
    • 2.5.2 testingのセキュリティ対応(secure-testing)
  • 2.6 パッケージメンテナンス情報
    • 2.6.1 パッケージ追跡システム(PTS)
    • 2.6.2 バグ追跡システム(BTS)

3章 パッケージシステムの詳細

  • 3.1 DPKGが管理する情報
    • 3.1.1 DPKGが管理するデータの場所
    • 3.1.2 システムのパッケージ状態(statusファイル)
    • 3.1.3 利用可能なパッケージ情報(availableファイル)
    • 3.1.4 各パッケージのメタ情報(infoディレクトリ)
    • 3.1.5 ファイル置き換え情報
  • 3.2 パッケージの一生とDPKG
    • 3.2.1 dpkgコマンドで確認するパッケージの一生
    • 3.2.2 DPKGによるパッケージのインストール
    • 3.2.3 DPKGによるパッケージの削除
    • 3.2.4 パッケージ操作と依存関係
    • 3.2.5 メンテナスクリプトとパッケージ状態の遷移
    • 3.2.6 変更されるファイル,されないファイル
  • 3.3 DPKGを使ったパッケージ操作
    • 3.3.1 dpkgコマンド
    • 3.3.2 パッケージ情報の参照
    • 3.3.3 debファイルを調べる
    • 3.3.4 パッケージのインストールと削除
    • 3.3.5 DPKG Tips
    • 3.3.6 エラーと対処

4章 パッケージの作成と配布

  • 4.1 パッケージ作成のための基礎知識
    • 4.1.1 Debianポリシーマニュアルを読もう
    • 4.1.2 バイナリパッケージの素(もと)
    • 4.1.3 パッケージ開発環境
    • 4.1.4 パッケージ構築のためのツール
    • 4.1.5 パッケージ構築に必要な情報(debianディレクトリ)
  • 4.2 debhelperスタイル
    • 4.2.1 debhelperスタイルのdebianディレクトリ
    • 4.2.2 debian/compatファイルとcompatレベル
    • 4.2.3 debhelperスタイルのrulesファイル
    • 4.2.4 debhelperを構成するコマンド群
    • 4.2.5 debhelperスタイルのポイント
    • 4.2.6 ケーススタディ ……helloパッケージの作成
    • 4.2.7 パッケージのカスタマイズ方法
  • 4.3 dpatchスタイル
    • 4.3.1 dpatchスタイルの利点
    • 4.3.2 dpatchスタイルのdebianディレクトリ
    • 4.3.3 dpatchスタイルのrulesファイル
    • 4.3.4 パッチファイルの管理
    • 4.3.5 dpatchスタイルのポイント
  • 4.4 CDBSスタイル
    • 4.4.1 cdbsパッケージの特徴
    • 4.4.2 cdbsターゲットの基本構造
    • 4.4.3 debhelperルール
    • 4.4.4 dpatchルール
    • 4.4.5 tarballルール
    • 4.4.6 cdbsパッケージが提供するクラス
  • 4.5 メンテナスクリプト
    • 4.5.1 メンテナスクリプトの引数
    • 4.5.2 複数パッケージを同時に操作するケース
    • 4.5.3 一般的な注意
    • 4.5.4 パッケージ設定
    • 4.5.5 debconfの使い方
    • 4.5.6 ucfの使い方
  • 4.6 パッケージのテスト
    • 4.6.1 パッケージのテストの必要性
    • 4.6.2 クリーンな環境でのテスト(debootstrap,cdebootstrap)
    • 4.6.3 パッケージの再構築テスト
  • 4.7 パッケージのカスタマイズ
    • 4.7.1 構築方法を変えてパッケージを作り直す
    • 4.7.2 ソフトウェアのバージョンアップ
  • 4.8 パッケージの配布
    • 4.8.1 APTのためのパッケージ情報
    • 4.8.2 パッケージ配布のためのツール

Appendix

  • Appendix A 新しいAPT/DPKG
  • Appendix B Debian Tools
  • Appendix C 参考文献